はじめに:売上はあるのに、利益が残らない理由
売上は伸びているのに、思ったほど利益が残らない。営業の現場では、そんなことが起きます。原因の一つは、見積を出す段階で原価(仕入れ値)を確認していないことです。
受注してから原価を確認すると、すでに価格をお客様と約束した後で、価格や条件を見直せません。見積を出す前に粗利を確認できれば、このようなことを防げます。
私自身、原価まで管理できる手頃なソフトを探したことがあります。しかし、見つかるのは非常に高価なものや、高いカスタマイズ費用を払わないと実現できないものが中心で、既存のままで原価管理ができるソフトは、検索してもなかなか出てきませんでした。
この記事では、原価・粗利の基本と、見積の段階で利益を確認する手順を紹介します。Excelでも始められる形です。
まず基本:原価・粗利・粗利率の違い
粗利率は「売上」に対する粗利の割合です。原価に対する割合ではありません。ここを取り違えると、思ったより利益が少なくなります。
| 用語 | 意味 | 計算式 |
| 売上(販売金額) | お客様に請求する金額(税抜) | 販売価格 × 数量 |
| 原価 | 仕入れや外注にかかった費用 | 原価 × 数量 |
| 粗利(粗利額) | 売上から原価を引いた金額 | 売上 − 原価 |
| 粗利率 | 売上に占める粗利の割合 | 粗利 ÷ 売上 × 100 |
粗利は、人件費や家賃などの管理費を引く前の利益です。最終的な「利益」とは違う点に注意してください。
数字で確認する
原価7,000円の商品、10個を売る例です。
| 販売単価 | 売上 | 原価 | 粗利 | 粗利率 |
| 10,000円 | 100,000円 | 70,000円 | 30,000円 | 30.0% |
| 9,100円(原価に30%を乗せた場合) | 91,000円 | 70,000円 | 21,000円 | 23.1% |
「原価に30%を乗せれば粗利率30%」と誤解しやすいですが、実際は23.1%になります。粗利率30%を確保したい場合は、原価を (1 − 0.3)で割って販売単価を決めます。この例では 7,000 ÷ 0.7 = 10,000円 です。
やり方:見積を出す前に粗利を確認する6ステップ
流れはシンプルです。見積の段階で「原価を入れて、粗利を見てから、価格を決める」順番にします。
- 見積の明細ごとに原価を決める:仕入れ値、外注費、送料など、その明細にかかる費用を入れます。
- 販売価格を入れる前に、原価を確認する:価格を先に決めると、原価を見ることが後回しになります。
- 明細ごとに粗利と粗利率を計算する:Excelでは、粗利は「販売金額−原価金額」、粗利率は「粗利÷販売金額」を数式にしておきます。
- 見積全体の粗利率を確認する:社内で「これ以下は出さない」という粗利率の下限を決めておくと、判断がそろいます。
- 値引きをするときは、値引き後の粗利率を見直す:値引きはそのまま粗利の減少になります。
- お客様に出す見積書には、原価を載せない:社内用と提出用を分けて管理します。
値引きの影響は、数字で見ると分かりやすくなります。先ほどの例(原価7,000円・10個)で、販売単価10,000円から 5% 値引きして 9,500円にすると、粗利は 25,000円、粗利率は26.3%になります。値引きは5%ですが、粗利は約17%減ります。
原価管理でつまずきやすい4つのポイント
仕組みを作っても、運用で崩れやすいところがあります。事前に知っておくと対策しやすくなります。
1. 原価が古いまま更新されない
仕入れ価格は変わります。原価の元データが古いと、粗利の計算そのものがずれます。
- 原価を見直す頻度(例:四半期ごと)を決める
- 見積を作った時点の原価を、見積と一緒に残しておく
2. 見積と実績がずれる
見積時点の粗利と、受注後に実際にかかった原価が一致しないことはよくあります。見積で終わらせず、受注後に実績で見直す流れまで作っておくと、次の見積の精度が上がります。
3. 値引きの判断基準がない
「粗利率が何%を下回る場合は承認が必要」のように、下限ルールを決めておくと、その場の判断に頼らずに済みます。ルールがなければ、値引きは担当者の感覚で決まってしまいます。
4. 原価が提出用の見積書に載ってしまう
社内用の原価と、お客様に出す見積書は分けて管理する必要があります。同じ表で管理していると、提出用に整える手間が増え、誤って原価が見える形で送ってしまうリスクもあります。
Deal-oneで原価・粗利を管理する場合
Deal-one(ディールワン)は、見積から受注・請求までを一つの流れで管理できる営業管理システムです。この記事で解説した考え方を、次の機能でそのまま使えます。
| やりたいこと | Deal-oneでの管理 |
| 見積の段階で粗利を確認したい | 明細ごとに原価を入力すると、粗利額・粗利率が自動で計算される |
| 見込と実績を比べたい | 商談画面で、見込金額と実績金額(請求書から自動計算)を確認できる |
| 見込と実績のズレに気づきたい | 金額が一致しない場合に警告が表示される |
| 原価をお客様に見せたくない | 提出用の見積書には原価を表示しない |
| 原価割れの価格に気づきたい | 作成・編集画面で、販売価格が原価を下回ると赤字で「原価を下回っています」、同額だと「原価と同額です」と表示される(提出用の見積書には表示されない) |
価格は、初期費用が0円、ユーザー1人あたり月額2,480円です。初回1ヶ月は無料でお試しいただけます。まずは実際の見積を1件入力して、粗利がどう表示されるかを確かめてみてください。
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まとめ
原価管理の要点は、見積の段階で粗利を見える化することです。
- 売上ではなく、粗利額と粗利率で判断する
- 明細ごとに原価を持ち、粗利率の下限ルールを決めておく
- 受注後は実績と見積を比べ、原価を更新する
表計算で始めても構いませんが、件数が増えると管理が追いつかなくなります。見積・受注・請求をつなげて管理したい場合は、Deal-oneを試してみてください。無料で試してみる(初回1ヶ月無料) / Deal-oneの紹介ページ

